多汗症に使うことのできる保険適用薬はプロバンサインです。
しかし、原発性多汗症であると診断されないといけません。
他に何か多汗症に使える薬があればいいのに。。。
そう思いますよね。
実は、多汗症治療には保険適用ではなく本来は別の治療のために使う薬ですが、プロバンサイン以外にも多汗症に効果があるのではないかとされる処方薬があります。
病院に行って医師から処方されないと手に入らない薬ですが、ここでは5種類を紹介します。
グランダキシン
自律神経失調症の治療薬で、脳の自律神経(交感神経・副交感神経)の乱れを整えてくれる薬です。
詳しい作用機序が実はよくわかっていないものの1985年から製造されている薬で、自律神経失調症のほか、更年期障害や頭痛などの自律神経由来の症状緩和に使用されています。
多汗症もほとんどが自律神経系の障害が理由であるため、グランダキシンを服用することで異常に汗が出てくるという症状が緩和されることが多いようです。
しかし、保険適用はされませんので、医師が「自律神経失調症である」と診断した場合は保険適用できます。
カタプレス
本来は高血圧用の治療薬として使われるもので、多汗症には保険適用はありません。
作用機序は交感神経の活性を抑制することによるのですが、多汗症への有用性については科学的論拠が乏しい。
実際に使ってみた結果、多汗症の症状が緩和された例があるというレベルに留まるため、「使ってみよう」となるかどうかは医師の判断に委ねられます。
ベシケアまたはポラキス
ベシケアとポラキスはそれぞれ別の成分の薬ですが、両方とも尿意切迫の治療薬です。
抗コリン薬と呼ばれ、神経伝達物質のアセチルコリンの働きを抑制します。
多汗症には抗コリン薬が有効であり、唯一保険適用されているプロバンサインも抗コリン薬の1つです。
そのため、ベシケアやポラキスも多汗症に効く可能性はありますが、多汗症治療には保険適用できません。
パキシル
うつ病の薬でSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれるものですが、要するに脳内の神経伝達物質の働きを改善します。
多汗症の原因の1つとして、うつ病のような精神的ストレスがあります。
夜眠れないなどの症状がある場合にも適用されます。
まとめ
発汗をコントロールするのは自律神経です。
そのため、多汗症に効果がある(効果がみられた)薬というのは、神経系の薬になります。
神経系の薬の注意点としては、副作用がどこに出てくるかわからないという点と予期せぬ副作用が出ることもあるということです。
また、ここで紹介した薬はすべて医師の診断のもと処方してもらわないといけないものです。
市販薬で試したいというのであれば、漢方薬を使うという方法もあります。