足のうらに異常に汗をかいてしまうことを足底多汗症と呼び、原発性局所多汗症の1つであるとされますが、そのような人には共通点があるって知っていましたか?
実は統計によると、日本人の40~50人に1人の割合で足底多汗症がいるとされ、意外と多いのです。
もしかすると、あなたの親しい友人も程度の差はあれども多汗症かもしれないですよ。
幼少児期ないしは思春期頃に発症し、成長とともに症状が軽減することもありますが、命に関わるような重大な病気ではないものの、日常生活に支障が出やすいため、ひっそりと悩みながら過ごしている人も多いようです。
そんな悩ましき足底多汗症の人たちに共通すること。
それは、その原因を知ることで分かります。
足裏多汗症の原因
普通、汗は気温が高くて暑く感じるとかくものですが、手のひらと足底にかく汗というのは、温熱の影響を受けません。
つまり、手のひらと足底にかく汗というのは、体温コントロールのためにかくわけではありません。
自律神経の1つである交感神経が刺激されること(精神的緊張)によって汗をかくわけですが、実は手足の汗の役割は「滑り止め」なんです。
ビニール袋の口を開くのに、手が乾燥していると滑ってなかなか口を開けられなかったという経験ありませんか?
そんな時は、指先に湿ったタオルなどをつけると開けやすくなりますよね。
スーパーの袋詰めの台にも、濡れたタオルが置いてあったりします。
あるいは、紙をめくるのに指先をペロッと舐める人がいますよね。
あれも指先が滑らないようにするためですね。
指先や足裏には指紋があって、この隙間にわずかな水分が入ることで滑り止めになるんです。
なので、元々は交感神経が刺激された時に汗が沢山出るように私たちの体は作られているわけですが、何故か手のひらや足裏に繋がる交感神経が過剰に反応し続けてしまっている人が多汗症と言われる症状になっているのです。
足底多汗症になってしまうのには理由がある【交感神経の過剰反応】
裸足で歩くと、床に形が残る。
それくらい汗が大量に出てしまう人は、まず親族に同じような症状の人がいないか思い返してみよう。
というのも、足底多汗症は血縁者のなかで発症が多いことで知られており、遺伝性があると言われています。
元々、メンタルの強さというのは遺伝性が示唆されることが多く、「性格がお父さんに似ている」とか言いますよね。
しかし、実際には根拠のない遺伝話です。
性格をコントロールする遺伝子がDNAにあるかどうかという研究はされているものの、性格という抽象的なものを観察して具体的に記録することが難しいため、DNA(遺伝)と性格を完全に結びつけることができません。
むしろ、育ってきた環境因子が大きな影響を与えるのではないかとも言えます。
足底多汗症についても、”遺伝性がある”とは言われるものの、実際は親族内に発症が多いとされるのは生活環境が大きな影響を与えているからだとも考えられますよね。
従って、まずは一緒に住んでいる家族あるいは近い関係にある親族に多汗症の人がいないか調べてみるとよい。
足底多汗症の原因は自律神経のバランスが乱れることが関与しています。
何が自律神経のバランスを乱しているのでしょうか?
その理由はいくつか考えられます。
ストレス、極度の緊張、不安といった精神的なことや、食生活、生活習慣、ホルモンバランスの乱れなど。
子供の頃に発症することが多いとされる多汗症ですが、大人になってから症状がひどくなったという人もいます。
その理由こそが、生活環境のなかに潜むストレスなんですね。
最近、嫌なことが続いていたりしませんか?
足底多汗症のための対策
手掌多汗症や足底多汗症の人の指先は、汗によって濡れているので冷えやすく冷たくなって紫色っぽいことが多いです。
また、汗でふやけて皮がめくれたり、足にカビや細菌が繁殖しやすくて水虫になっている人も結構います。
靴下がびしょびしょになるという人は、多汗症のための靴下選びを参考にしてください。
吸放湿性に優れた靴下を探しましょう。
また、足底の刺激によっても足の裏から汗が出やすくなる人は多いため、健康サンダルのように細かい突起がついているサンダルは汗が出やすくなります。
できるだけ、足の裏を刺激しないようなフラットな履物がおススメです。
汗をできるだけ止める対策方法としておすすめしたいのが塩化アルミニウムです。
睡眠中の発汗は停止するため、寝る前にオドジェルミスト (100ml) ワキ汗&ワキガ防止制汗剤/プロ看護師仕様を塗ることを数日間続けてみてください。
オドジェルミストの主成分は塩化アルミニウムで、汗腺をふさぐ機能を持っているため、物理的に汗が出るのを防いでくれるようになりますよ。
足裏多汗症の治療ステップ
足裏多汗症の治療には、その重症度によって治療方法にステップがあります。
まず、軽度の多汗症であれば塩化アルミニウムを使います。
もしくは、弱電流を流した水の中に足の裏を浸すイオントフォレーシスも有効です。
塩化アルミニウムとイオントフォレーシスは利便性が高いのですが、肌がカサカサになりやすいのがデメリットですね。
これらの方法では対処しきれないという場合、次にとられる処置がボツリヌス注射(ボトックス注射)です。
多汗症治療としては有名な方法の1つで、重度の多汗症には保険適用もされます。
1回の注射で4~6か月くらいの持続効果がありますので、夏前にボトックス注射をする人は多いようです。
それでもダメという人は、手術ということを選択肢の1つとして考えることになりますが、手術などの相談は治療経験が豊富な専門医の受診をお勧めします。
手術は腔鏡下胸部交感神経遮断術(ETS)になるでしょうが、手術後の副作用もしっかりと理解して後悔することのないようにしましょう。