昭和62年(1987年)に岡山県にある湯原温泉の「町づくり事業」の一環で6月26日を露天風呂の日としています。
6月26日 = 6・26「ろ(6) てん(点) ふろ(26)」だそうです。
湯原温泉では毎年6月26日に天からの授かりものである温泉に感謝するイベントを行っていますが、現在では湯原温泉以外でもイベントをするところはあります。
もしも、6月26日に温泉に浸かりに行くならイベントがないかチェックしてみてください。
ところで、ホテルや旅館に宿泊したとき、露天風呂に入るとすごく気持ちがよいですよね。
内風呂にはない快適感があるのは、何故でしょうか。
その理由を汗と自然の風を交えて説明します。
不規則な自然の風が頭を冷やすことによる快適感
温泉に肩まで浸かり、タオルを頭の上に乗せる。
のぼせた頭に吹き付けた風がまた気持ち良いのでいつもよりも長風呂できそうです。
開放的な景色と非日常的な風呂場がまた心地良さを倍増させてくれますよね。
このように、露天風呂には内風呂にない快適感があるが、その快適感の理由の1つが上昇した体温の冷却です。
体温が高いときに皮膚温度が低いほど人は快適感を強く感じるのです。
温泉に浸かると、体が温まり顔に汗が出ます。
自然の風が汗の蒸発を促進することで、皮膚温度が大きく下がるのは内風呂ではない効果ですね。
私たちの皮膚は温度計的に温度を感じるセンサーがあり、暑い、寒いという感覚を皮膚で感じます。そのセンサーによって体温調節機能が働く。
それとは別に、温度変化センサーもあり一定の時間でどれだけ温度が変化したかという情報をキャッチしています。
温度変化センサーがあるのは、自然の変化に対する防御反応を発動するためだとも言われていますが、露天風呂における快適感という点においては、風が顔に当たることによる温度変化をキャッチし「快適」という信号が脳に伝達されることが理由なんです。
持続的かつ機械的な風は快適感を減退させる
体表面の温度変化が快適感に影響することは間違いありません。
しかし、ただ体表面の温度が下がれば快適さが得られるというわけではありません。
その証拠に、温泉に浸かっている時に送風機などで持続的に風を顔に当て続けた場合、最初は快適感が得られますが、次第に快適さが失われていきます。
もちろん、送風されている間は皮膚温度は下がり続けますが快適さだけが失われるのです。
この理由は、皮膚の温度センサーは温度変化に対して、その強弱を信号として脳に伝えるので、送風を開始した最初は大きな温度変化による大きな快適感を伝える。
しかし、その後は徐々に温度が下がるため、「一定時間の温度変化」という点では信号(快適感)が低下するのです。
つまり、送風機で持続的に風を当てるよりも、とぎれとぎれで風を当ててやるほうが快適感が長続きするということになります。
露天風呂が快適なのは、たえず強さや方向が変化する自然の風のおかげということですね。
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露天風呂の風が脳のオーバーヒートを防いでくれる
私たちの温熱的快適感が皮膚温度と体の深部の温度(核心温度)の2つの情報によってコントロールされていることが知られている。
そして、快適感への寄与の大きさは、核心温度の方が皮膚温度よりもずっと大きいことが判っており、特に脳内温度の上昇はオーバーヒートに繋がり熱中症を引き起こします。
熱中症の場合は頭を冷やしますよね。
これは脳内温度を下げてあげないといけないからです。
露天風呂の場合、さきほどにも書いた通り自然の風というものがあります。
自然の風は顔・頭にかいた汗を蒸発させて皮膚温度を下げてくれますが、同時に脳に流れる血液も冷ましてくれるのでオーバーヒートを防げるのです。
しかも、快適感は皮膚温よりも核心温の変化に敏感であり、皮膚に比べて脳は少しの温度低下で大きな快適感が得られ、なおかつ露天風呂だとそれは自然の風により持続的となる特徴がある。
室内のお風呂よりも露天風呂の方が熱中症による事故が少ないのはこういった理由があるからです。もしも室内でお風呂に入るなら、窓を少しあけて風を入れてあげるとよいかもしれません。