手足の汗がひどく多汗症かもしれないと感じた時、できるだけ治療におけるリスクが少なく、かかる費用も抑えながら効果のある方法はないだろうかと思いますよね?
そして多くの人が行き着く手足の局所的な多汗症の治療法の1つとして、イオントフォレーシスという方法が知られるようになってきました。
わき汗がひどい場合は、塩化アルミニウムを塗るのが第一選択となりますが、手足の場合は効果が薄かったりもしますので、その時にはイオントフォレーシスが有効な方法となります。
では、どのような治療法なのか
治療におけるリスクの心配はないのか
どれくらいの頻度で、何回治療を受けないといけないのか
どこで治療を受けられるのかなど
イオントフォレーシスについて、これらのことを簡単に説明していきます。
イオントフォレーシスとは
多汗症の手術以外の治療方法の1つであり、汗で悩む局所部位を水道水につけ、微弱電流(10~20mA の直流電流)を流すことで治療します。
そのため、全身性の多汗症には適用されません。
使えるのは、手・足・脇の三か所です。
イオントフォレーシスが多汗症に効果があるとされるのは、微弱電流によって水から水素イオンが発生し、その水素イオンが汗腺の細胞に作用し汗を出しにくくするためだとされていますが、活動する汗腺の数が減るためだとも考えられています。
具体的には汗腺細胞の細胞膜にあるイオンチャネルを水素イオンが阻害することで、細胞膜を介したイオンの出入りを阻害し汗腺が閉じるというもの。
簡単に言うと、汗孔を閉じさせて汗を出ないようにしているということです。
治療の回数や効果は?そして費用は?
ハッキリ言うと、イオントフォレーシスは効果があります。
日本皮膚科学会でもその有効性は太鼓判であって、イオントフォレーシスの治療をすすめているくらいです。そのため、治療を行ったほとんどの人で、少なからず効果は実感できるし人によってはピタリと汗が止まる。
ただ、問題は時間に少しでも余裕がない人は難しいということです。
まず、イオントフォレーシスでは、1回の治療に約20~30分程度かかります。
手足などの局部の多汗症では、イオントフォレーシスは安全性も効果も高いため第一選択の方法だという意見も多く、80%以上の多汗症の患者に効果があるとされます。
最初は、週に1回程度の頻度で治療を行いますが、症状が緩和されはじめたら月に1、2回程度の治療になります。概ね10~15回程度で汗の量はおよそ1/2~1/3に減少し、正常者の範囲に近い状態にまでなります。
欠点としては、イオントフォレーシスで多汗症の完治はできないこと。
つまり、継続的に治療を続けないといけないということです。
効果が出たからと治療をやめると元に戻ってしまいます。
また、日本ではイオントフォレーシスを行っている病院が多いとは言えませんが、皮膚科では予約制にて受け付けているところもありますので、「イオントフォレーシス ●●市」などお近くのエリアに対応しているクリニックがないか検索してみてください。
イオントフォレーシスにかかる費用は初回診察で3000円程度、その後は1回ごとに診察料プラス数百円くらいというのが相場ですね。
保険適用できるので安くつきます。
ただし、継続的に通院することが苦痛であるという人には向かないかもしれません。
そのような場合、本当は医師の監修のもとで適切に治療を受けることが望ましいですが、今では個人でも使える家庭用のイオントフォレーシス機器が購入できます。
※個人では購入できないイオントフォレーシス機器もあるので注意してください。
イオントフォレーシスのまとめ
手・足・脇の局所多汗症には高い効果があり、安全性も高い治療法です。
ただし、完治を目指すものではないため、継続的な治療が必要になるのがネック。
もしも、途中でやめてしまうと元に戻ってしまうのが懸念点。
継続的な通院が難しいという人は、個人購入できる家庭用のイオントフォレーシス機器を検討してみてもよいかもしれません。