多汗症の森田式治療法とは【手術もしない薬も使わない治療法】

わきが・多汗症の治療

多汗症の治療に効果的であるとして「森田式治療法」という言葉を聞いて、どんな治療法なんだろうかと思いますよね。

多汗症の治療には、ボトックス注射、イオントフォレーシス、手術に飲み薬など色々な方法がありますが、森田式と呼ばれる方法はこれらとは全く別の治療法です。

 

何といっても、森田式治療法では手術もしないし薬も使わないのが特徴です。

 

多汗症には、その原因がはっきりと解っているものと、不明なものの2つに大別されますが、原因は何となくわかっているけど治療が難しいとされる精神性発汗と診断される人たちが圧倒的に多いのです。

森田式治療法は、この精神性発汗の多汗症を治療する方法になります。

精神性発汗とは、緊張するようなことや、恐怖や不安といった強迫観念による異常発汗を指し、精神的な問題であるため治療が難しいとされる。

 

では、具体的に森田式治療法とはいったいどのように行う治療法なのかについて紹介します。



精神性発汗の多汗症を治してくれる森田式治療法とは

Clinic

森田式治療法の「森田」とは、精神科神経科医である森田正馬(もりた まさたけ)が精神障害・不安症・うつ病・神経質の改善を目的に考案したプログラムです。

元々は多汗症のための治療というわけではありませんし、あくまでも、精神性由来の多汗症にも適用することで効果が得られるということです。

 

そもそも、汗に対する精神症(強迫観念など)の人は、大量に出た汗や臭いが気になって何とか対処しようと行動します。

行動すればするほど、ますます汗や臭いに神経が行き、過敏に気にするようになる。

 

結果、どんどん汗に対す不安とか心配が膨らむ一方で「負のスパイラル」に陥るのが典型的です。

一度、負のスパイラルに陥ってしまうとなかなか抜け出すことは容易ではありません。

 

何か気になりだすと止まらないというタイプの人は要注意です。

 

コンプレックスというのは、誰もが持っているものですが、どれだけ気にするかということの度合いによって精神性発汗が発症するかどうか決まります。

 

 

森田式では、こうした精神的な負のスパイラルによる状態から脱出するには、自分で自分のことを気にかけさせる外的要因をシャットアウトすることが第一に必要であると説いています。

そのため、重度であると診断された場合は40~60日程度の入院を必要とします。

そうでなければ、通院でも可能。

 

森田式における4ステップ治療

森田式治療法では大きく4つのステップを踏みます。

特に、第一ステップは精神性発汗に陥る要因をシャットアウトするための重要な期間になります

 

第一期

絶対臥褥(がじょく)期と呼ばれ、静かな個室で、食事やトイレの時以外は布団の上でただ寝かせるだけで、他のことは何もさせません。

主治医との面談なども一切行いません。

 

外界の刺激、他人からの視線などを断ち切ることで、自分と向き合う時間を作ります。

この期間によって「過剰に気にしない」という精神状態を目指します。

 

第二期

第一期では主治医との面談・診察などもシャットアウトされますが、第二期からは面談も相談も始まりますし、外で軽作業する時間もとるようにされます。

ただし、あくまでも軽作業であり一日のうちで活動する時間は限られます。

この期間の目的は、個人の精神安定を目指すことです。

 

第三期

このステップになると、寝ている時以外は適度の休憩をはさみながら何かしらの作業をするようになります。

作業療法とも言われ、不安要素を気にかけないような状態に身を置くことで、あるがままの自分でいる時間を増やします。

社会生活復帰までもう少しです。

 

第四期

社会生活準備期になり、日常生活に戻れるよう集団生活の中でもこれまでのステップで得た状態を維持するための準備期間です。

 

ここまで見ると、「そんなことで!?」と思うのが普通なのかもしれません。

しかし、精神性発汗で大量の汗を流す人というのは、自分で思っている以上に周囲からの視線などを過剰に気にしている、あるいは神経が反応しているのです。

 

なので、無意識に反応してしまう神経にブレーキをかけるためには、こういった森田式治療法のような治療が有効に働きます。

精神(神経)というのは、「慣れる」ということに非常に弱い部分です。

 

嫌な臭いも慣れてば気にならなくなる。

外部からの音も騒音(ノイズ)と感じるか、感じないかも「慣れ」です。

こう聞くと、あぁそうかもと思うでしょう?

多汗症の森田式治療法のまとめと大切なこと

Important

考案者である森田正馬が特に繰り返していた言葉は「あるがままの」です。

精神性発汗は「あるがまま」の自分を受け入れられない状態であり、今の自分が「あるがまま」であると認められないという葛藤が生み出したものであるとされます。

 

自分を受け入れられないという心理状態が「あるがまま」の姿をさらに悪化させ、必要以上に汗をかくという状態になっています。

 

勘違いしそうになるのですが、森田式では決して「あるがまま」の自分を受け入れようとさせる治療法ではありません。

「あるがまま」の自分を「あるがまま」に気にしない状態になろうというのが目的です。

 

森田療法は慈恵医大精神神経科で積極的に取り組んでいるようですので、気になる方は、問い合わせをしてみては如何でしょうか。

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