多汗症に使う漢方薬と使い分け

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噴き出す汗を止めてくれる漢方薬は使い分けが重要です!

多汗症はとにかく沢山の汗をかいてしまう病気です。全身に汗が出るタイプと、手・足・顔などの局所的に大量の汗が出るタイプに分かれますが、それよりも何が原因で汗が出てくるのか?が重要です。

多汗症に使う漢方薬はその原因によって選ばなければいけないのです。


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精神的なストレスによる多汗症に使う漢方薬

大事なプレゼンの前に緊張して汗が止まらなかったりするのが精神性による多汗症の例です。

精神性の多汗症では、急に緊張が止まらなくなり汗が出てきますので、気持ちを落ち着かせる安定剤的な作用を持つ漢方薬が適しています。

柴胡加竜骨牡蛎湯さいこかりゅうこつぼれいとう)

明日の試験が不安で眠れない。イライラが止まらない。些細な失敗を思い出しては気持ちが落ち込んでしまうという人に向いている漢方薬で気持ちを落ち着かせてくれます。

比較的体力がある人に使用します。

【配合生薬】

  • 柴胡(さいこ)
  • 半夏(はんげ)
  • 茯苓(ぶくりょう)
  • 桂皮(けいひ)
  • 黄芩(おうごん
  • 大棗(たいそう)
  • 人参(にんじん)
  • 竜骨(りゅうこつ)
  • 牡蛎(ぼれい)
  • 大黄(だいおう)
  • 生姜(しょうきょう)

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいひかんきょうとう)

体力がない人向けの漢方薬になり、多汗症の原因となる緊張緩和に効果があります。

その他、血行を良くして体を温めてくれる桂皮を含んでいるため体力回復にも効果があります。

【配合生薬】

  • 柴胡(サイコ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 乾姜(カンキョウ)
  • 黄ごん(オウゴン)
  • 牡蛎(ボレイ)
  • か楼根(カロコン)
  • 甘草(カンゾウ)

柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)

特にイライラが止まらないという人に向いている漢方薬。

体力は普通の人に使用しますが、とりわけ子供によく用います。

なので、お子さんが精神的な緊張などで汗が止まらないという場合はこの漢方薬を使うとよいでしょう。

【配合生薬】

  • 柴胡(サイコ)
  • 黄ゴン(オウゴン)
  • 黄柏(オウバク)
  • 黄連(オウレン)
  • カ楼根(カロコン)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 桔梗(キキョウ)
  • 山梔子(サンシシ)
  • 地黄(ジオウ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 川きゅう(センキュウ)
  • 当帰(トウキ)
  • 薄荷(ハッカ)
  • 連翹(レンギョウ)
  • 牛蒡子(ゴボウシ)

食生活の乱れや香辛料による多汗症に使う漢方薬

香辛料が多く含まれるものを食べたり、脂っこいものを食べ過ぎるなどの食生活の乱れも多汗症の原因の1つとなります。

この事実は案外見落としがちですが、特に脂質はエネルギー効率が高く体温上昇に寄与します。

そのため、身体の中に発生した熱を放出するために汗をかきやすくなるのです。

また、香辛料も胃腸を刺激すると同時に味覚刺激による発汗作用を持ちます。

これらの場合は身体の熱をとってくれる漢方薬が適しています。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

血圧が高く、比較的体力のある人に向いています。

消炎・解熱作用が強く、イライラも抑えてくれます。

また、止血作用もあるのが特徴。

【配合生薬】

  • 黄連(オウレン)
  • 黄ごん(オウゴン)
  • 黄柏(オウバク)
  • 山梔子(サンシシ)

茵陳蒿湯(いんちんこうとう)

体力があるが、肝臓・胆のうに負担がかかっている人に向いています。

肝臓は病気になってもなかなか症状がでないため、自分では気づかないことが多いので「最近、暴飲暴食が過ぎたかな・・・」と感じた人は予防的にも利用するとよいかもしれません。

便秘にも効果があるとされます。

【配合生薬】

  • 茵ちん蒿(インチンコウ)
  • 山梔子(サンシシ)
  • 大黄(ダイオウ)

黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)

胃腸を健康にして栄養状態を改善してくれる漢方薬で、体が弱っている子供にも使えます。

特に黄耆には汗の量を調節してくれる作用があり、寝汗をよくかく人に向いています。

【配合生薬】

  • 黄耆(オウギ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 大棗(タイソウ)
  • 甘草(カンゾウ)

肥満が原因で汗をかきやすくなっている人に使う漢方薬

「肥満は万病のもと」と言うように、体に脂肪を溜め込むと色々な健康障害が出てきます。

多汗症も例外ではありません。通常、私たちは日常生活を送る中で体内に大量の熱を発生させます。

発生した熱は体外に放出することで体温の恒常性をキープしているわけですが、肥満になると分厚い脂肪の壁が熱の放出をブロックしてしまいます。すると、熱が体内にこもるため体は熱を放出しようと過剰に汗をかくのです。

もちろん、皮下脂肪だけでなく内臓脂肪も同じことがいえますので、見かけは痩せているが体脂肪率が高いという隠れ肥満の人も要注意です。

汗を沢山かいてしまうという人は、体脂肪の管理をしっかりとしてみてはいかがでしょうか。

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防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

太りぎみで汗かき、疲れやすいという水太りタイプの人に適した漢方薬。

水分代謝の改善による肥満解消によって余分な熱量を放出させてくれます。

【配合生薬】

  • 防已(ボウイ)
  • 黄耆(オウギ)
  • 蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 大棗(タイソウ)
  • 甘草(カンゾウ)

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

体力があり、ポッコリお腹の人に向いている漢方薬。

身体の水分代謝を改善すると同時に、便秘にも効果があります。

【配合生薬】

  • 防風(ボウフウ)
  • 黄ごん(オウゴン)
  • 大黄(ダイオウ)
  • 芒硝(ボウショウ)
  • 麻黄(マオウ)
  • 石膏(セッコウ)
  • 白朮(ビャクジュツ)
  • 荊芥(ケイガイ)
  • 連翹(レンギョウ)
  • 桔梗(キキョウ)
  • 山梔子(サンシシ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 当帰(トウキ)
  • 川きゅう(センキュウ)
  • 薄荷(ハッカ)
  • 滑石(カッセキ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 甘草(カンゾウ)

更年期障害などホルモンバランスの崩れが原因となる汗

多汗症とはまた別の症状ではありますが、とりわけ女性の更年期障害で起こる症状に突発的な発汗があります。

いわゆるホットフラッシュと呼ばれるものです。

そういった症状の場合、ホルモンバランスを安定させてくれたりする漢方薬が適しています。

加味逍遥散(かみしょうようさん)

体が弱く、生理不順が起こっている女性向けで血液循環を改善することで体調を整えてくれます。

昔からよく使われる漢方薬の1つで、ホルモンバランスを整えてくれる作用もあります。

急に熱くなったり、寒くなったりする人は試してみる価値があるでしょう。

【配合生薬】

  • 柴胡(サイコ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 蒼朮(ソウジュツ)
  • 当帰(トウキ)
  • 茯苓(ブクリョウ)
  • 山梔子(サンシシ)
  • 牡丹皮(ボタンピ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 薄荷(ハッカ)

女神散(にょしんさん)

血行促進によって体調不良を改善してくれます。

更年期障害にもよく使われる漢方薬で、不眠症状や不安、頭痛などを訴える場合に選択します。

【配合生薬】

  • 当帰(トウキ)
  • 川きゅう(センキュウ)
  • 香附子(コウブシ)
  • 蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 黄連(オウレン)
  • 黄ごん(オウゴン)
  • 人参(ニンジン)
  • 檳榔子(ビンロウジ)
  • 丁子(チョウジ)
  • 木香(モッコウ)
  • 甘草(カンゾウ)

漢方薬を使う時の注意点

ここまでいくつかの漢方薬を紹介してきましたが、まだ他にもいくつもの種類の漢方薬があります。

どれを選択して多汗症を改善するかはそれぞれですが、漢方薬の服用の仕方には注意しないといけません。

現在、ドラッグストアや病院で処方される漢方薬の多くは乾燥エキス剤となっています。

昔は、乾燥させた生薬を煎じて飲むことが一般的でしたが、乾燥エキス剤を利用することで煎じる手間が省けるので楽ですね。

さて、問題は漢方薬をいつ飲むか?ということ。

漢方薬の服用は基本的には食前か食間です。

食間というのは、食事の最中ということではないので注意してください。

食間は朝食・昼食・夜食の間の空腹時です。

漢方薬は複数の生薬が絶妙なバランスで配合された薬であって、そのバランスが効果を発揮するためには重要です。そのため、他の食べ物が混ざってしまうと効果が薄れてしまう可能性があるのです。

もし、食前に飲み忘れた場合は食後30分以上経過してから服用するとよいでしょう。

また、漢方薬は飲んですぐに効果が出るとは限りません。

長い時間をかけてゆっくり体調を改善させてくれるものもあるので、気長に服用を続けることで多汗症の悩みも改善されるのではないでしょうか。

是非、漢方薬の力を利用してみては如何ですか?




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