手掌多汗症の原因と外科的治療法(ets)の注意点

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多汗症の中でも日常生活に支障が出るほどの汗が手のひらに出ることを手掌(しゅしょう)多汗症と呼びます。酷い場合には手のひらから汗が滴り落ちるほど。

紙を手に持っているとすぐにふやける。

手汗のせいでパソコンやスマホなどの電子機器の操作がしにくい。

特別、緊張しているわけでもないのにこのように手のひらがベットリと濡れてしまうと、常に手を拭くハンカチやタオルが欠かせなくなります。

あなたもこのような悩みをお持ちではないでしょうか?

一時的に汗を止める手法としては、ボトックス注射が利便性がよいのですが、持続性が半年程度しかない上に効果が切れ始める頃になると徐々に汗の量が元の状態に戻ってきます。

あるいは、手軽にできるイオントフォレーシスという方法もありますが、こちらも根本的な治療にはなりません。

どうしても、汗を根本的に止めてしまいたいという人には腔鏡下胸部交感神経遮断術(ETS)という手法があります。

ここでは、手汗の原因とその外科的治療となるETSについての注意点をまとめます。


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手掌多汗症の主な原因

手掌多汗症の原因は交感神経何らかの理由で過剰反応していることによります。

「何らかの理由」としたのは、それが一体何なのかはっきりと分からないからです。もしかすると遺伝的な原因があるのかもしれませんが、それは今後の医学的な研究に委ねるほかありません。

腔鏡下胸部交感神経遮断術(ETS)における注意点

原因が不明とされる手掌多汗症ですが、汗がでる仕組みは交感神経の過剰亢進によるということは分かっています。

したがって、交感神経の伝達を遮断することができれば、汗が過剰に吹き出ることが抑えられます。

そのためにする手術が腔鏡下胸部交感神経遮断術(ETS)

ETSでは発汗を促す交感神経そのものを焼いたり、切ったりして発汗の神経伝達を遮断してしまいます。この手術を行うことで、手汗がびっしょりで悩んでいた事が嘘のように、ピタリと汗をかかなくなるほどの根本治療になります。
※まれに 1~5% 程度の方に再発することはあるようです。

手掌多汗症に対する手術の効果

手汗については、交感神経を遮断した直後から汗がピタリと止まります。

交感神経は興奮状態や緊張状態の時に主に働く神経なので、遮断することで手汗だけでなく、いつもよりも緊張した時に起こる鼓動が速くなったり、顔が赤くなったり、汗をかいたりということが少なくなります。

手掌多汗症の手術は非常に効果が高いため、安易に希望される方も多いのが事実です。ですが、手掌多汗症の手術については、よく理解しておかなければならないことがあり、医師の説明をしっかりと聞いたうえで決めることが大切です。

特に、次に説明する副作用の問題は必ず起こり得るので確認しておきましょう。

手掌多汗症の手術における副作用の問題

ETSでは内視鏡を使った手術になります。

遮断する交感神経は背骨を中心に左右上下に走っており、大きく Th2、TH3、Th4 と3つのレベルの神経に分けられていて、Th4が最もレベルの低位の神経になります。どれを遮断するかによって、副作用である代償性発汗の発現レベルが変わります。

代償性発汗とは、術後に手とは別に頭部や胸、背中、太ももなど他の部位への発汗が増加する現象を指します。

この代償性発汗を少しでも抑えるためには「低位(Th4)交感神経遮断術」を切断することを選択するのが一番良いとされていますので、医師の説明をよく聞いておくことをおススメします。

手掌多汗症のETSによる治療では、「代償性発汗」というデメリットがほぼ100%あるとされるため、最初は代償性発汗の出現程度を観察するために片側のみの神経遮断を行い、数カ月の術後の状態をみて代償性発汗に耐えうると判断された場合のみもう片側の手術を行うこともあります。

どうしても両側を一度の手術で処理して欲しい場合は医師と相談しましょう。

もう1つ、これまで悩んでいた手汗が無くなる反面、手が逆に乾燥してしまいカサカサになるという新たな悩みが出ることもあります。その場合、ハンドクリームを塗るなどして対処してください。

手術にかかる時間

手術で用いる内視鏡は通常は全身麻酔の後、脇の下を切開して挿入して目的の交感神経を電気メスで切断します。

概ね、手術時間は30分程度ですが、麻酔にかかる時間や覚醒するまでの時間が必要。日帰りも可能ですが1泊2日が多く、術後は何回か通院して診てもらう必要があります。

特に女性が気になる傷跡(手術跡)に関しては、切開部を縫う糸が皮膚表面に出ないようにする埋没縫合という方法をとりますので、ほとんど目立たなく安心してよい。

手掌多汗症の手術のまとめ

交感神経を遮断することで手汗を効果的に止めてくれるETSは、大量の手汗をかく人にとっては強く希望されることが多い。

ただし、手術における代償性発汗などの副作用も含めてよく理解しておくことが大切です。

思わぬ副作用は誰にでも起こり得るため、よくよく医師と相談してから臨みましょう。




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