多汗症の治療に使うボトックス注射とは?その効果と副作用など

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多汗症の治療に使うボトックス注射

汗に悩まされている人なら一度は考えたことがあるのではないでしょうか?

汗に関する悩みを持つ人の中では有名な治療法である一方、医療行為であるが故に施術に対する不安や費用の問題など気になる点がどんどん出てきます。

しかし、その効果を評価する医師も多いため、多汗症治療を行う医療クリニックのほとんどが取り扱っているのがボトックス注射です。

ここでは、今後ボトックス注射を検討する人のために情報をお届けします。


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ボトックス注射の原理と効果

多汗症やシワ取りなどに適用されるボトックス注射は手術を必要としないため、少しハードルが下がる気がしますがその中身は一体何か。

それを知っているのと知らずに治療を受けるのとでは、気持ちに雲泥の差が生じます。

「注射」だけに、手・足・脇や顔などの局所的な多汗症の治療に何かを注射するということは想像に難しくはありません。

実際、注射をするのはボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)です。

時折、食中毒を起こす原因菌としても知られるボツリヌス菌が作る毒素ですが、医療用として転用したものです。

厚生労働省が認可した唯一の薬にはボトックスビスタがあります。

世界トップシェアであり、臨床データも豊富であるため、副作用や後遺症の心配がほとんどなく多くの医院で採用されていると思います。

薬剤の価格はやや高めですが、安全性をお金で買っていると思うことが大事でしょう。

費用を抑えるために別のボツリヌストキシンを選択される方がいますが医師に相談してください。

※妊婦さん、もしくは授乳中の方はボトックス注射はできません。

ボツリヌストキシンの薬理効果

ボツリヌストキシンはボツリヌス菌が作る毒素で、筋弛緩作用があるため元々は顔面痙攣(けいれん)などの治療薬として使用されていました。

それが、多汗症にも適用されるようになったのです。

もちろん、毒素は無毒化して害のない少量を使用します。

作用機序は神経伝達の阻害(アセチルコリン分泌阻害)により、多汗症の場合、汗腺(エクリン汗腺)の活動を抑制して汗が出るのを防いでくれます。

汗腺にはエクリン汗線アポクリン汗腺があり、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

エクリン汗腺は全身に分布しており、サラサラとした汗を出します。

一方、アポクリン汗腺は脇の下などの局所部位に集中して存在しており、粘り気のある汗を出すのが特徴です。

アポクリン汗腺からの汗には脂肪分やアンモニアなどを含みニオイの元になる菌の増殖がしやすいのです。

多汗症の人はアポクリン汗腺よりも、むしろエクリン汗腺からの汗の分泌が異常に増加している状態にあります。

ボトックス注射では、エクリン汗腺にある神経に作用して汗を止めますがボトックス注射の効果は抜群であるという意見が大多数であることは事実ですし、実績が多い分安心できる治療法の1つです。

なので、汗の量が多くて困っているという場合には、ボトックス注射は手術と比べても体への負担が少ないため有効です。

ただし、ニオイが気になって困っている場合には、ボトックス注射よりも手術を勧められる場合がありますので、クリニックにて医師に相談すべきです。




ボトックス注射の治療時間と持続効果

ボトックス注射では汗腺を除去するわけではないので、永続的な効果は期待できませんが概ね半年程度持続します。

人によって持続期間は異なりますが、ある日突然に効果が切れて汗が出るようになるというわけではありません。

注射を打ってから数カ月経った頃からだんだんと汗の量が増えていく(元に戻っていく)と考えてください。

治療時間は 5 分程度と短いため、体への負担が少ないのが特徴。

注射をしてから、2、3 日~ 1 週間程度で効果が出始めます。

保険適用については、2012 年より「重度の原発性多汗症にのみ適用」とされました。

つまり、誰でも保険適用で安くボトックス注射ができるわけではないのでご注意ください。

重度の原発性多汗症の診断には一定の基準があり、「原因不明の多汗症『原発性多汗症』の発症年齢と対策」の記事にも紹介していますので、ご自身が当てはまるかどうかをチェックしてみると同時にクリニックの医師にも確認してもらいましょう。

治療では局所に注射をするわけですが、注射が苦手という人には麻酔クリームを用意してくれるところもあります。

正直、「ボトックス注射は痛い」という声が多いようです。

麻酔クリームを塗っても痛みが我慢できないという人もいるようで、その場合、麻酔クリームの上に局所麻酔をしてくれるかもしれませんので、「痛みに弱い」と相談してみてください。

ボトックス注射の保険適用と適用外における違い

ボトックス注射は原発性多汗症においてのみ保険適用されますが、保険適用外の場合は自由診療になります。

平均的にボトックス注射を自由診療した場合は10 万円前後(両脇)という設定のところが多く、保険適用されると自己負担が3万円前後となります。

ただ、保険が使えるか使えないかの違いは、単純に価格だけではありません。

保険診療で使用できるボトックス注射の量は決まっていて、汗が多い人、少ない人、体が大きい人、小さい人に関係なく一定量しか使えないので、保険適用の範囲内で効果が出ればよいのですが、出ない場合も補償はされないということです。

一方、自由診療の場合は個々の状態によって、医師がボトックス注射の量を変えることができるというメリットがあります。

どちらが良いかは一概には言えません。




ボトックス注射の適用部位

ボトックス注射が適用される部位は汗が多く出る局所です。

  • 首筋

こういった部位には有効的に使用できます。

最も多いのは脇だと思いますが、人によっては注射による赤身がひどくなったりすることもあるので、治療から帰る途中で脇が見えないようにノースリーブではなく、袖のある服で受診される方が無難かもしれません。

ボトックス注射の副作用

汗を止める効果が抜群で手術も不要なボトックス注射ですが、全く副作用がないわけではありません。

デメリットとして持続効果に限りがあるということは書きましたが、それ以外にも例えば、脇の汗を止めるためにボトックス注射をすると、脇以外の部位の汗の量が増えるということがあります。

ただし、これも一時的なことですので大きな心配は不要です。

また、注射をするため皮膚が弱い人は注射による赤身が出たり、出血したりすることもあります。

ほとんどは時間と共に治ります。

ボトックス注射のまとめ

いかがでしたでしょうか。

局所部位の多汗症には抜群の効果があり、約半年間の持続効果があるので多汗症でなくても汗に悩む人にとっては検討する価値がありますね。

手術を必要とせず、問診の後は5分ほどの注射で汗の悩みが吹き飛ぶボトックス注射。

保険適用か自由診療かは、ご自身の多汗症がどのようなものであるかにもよりますが、悩んでいるなら一度クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。